クライミングジム R&F

四国ロックトリップ

2017年10月30日 by 宮嶋悠

こんにちは。スタッフの宮嶋です。私は10月天気が落ち着かない中、晴れ男に連れられて四国RockTripに行くことができました!

去年もですが、行くたびに本当に多くのことを感じます。

 

NIYODO LOVER という仁淀川のトポが公開されましたが、内容が深いトポです。グレードやトップアウト、競争を超えたクライミングの物語として、初登時の記録が文章で載っています。思いの伝わるとても素敵なトポでした。自由なクライミングを求める方には、是非四国とこのトポはおすすめです。(トポの文中でもこの言葉が使われています)

自由なクライミング 逆に不自由なクライミングって何でしょう。

四国はなんといっても「登る」以外にほとんど手が加えられていないのが特徴です。下地、アプローチ、駐車場、ティックマーク。これらの要素はほとんど加えられておらず、なるべく自然のまま残されています。その分、安易に手を出して飛び降りることができなかったりしますが、それがクライミングだと受けめて欲しいという願いが込められています。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

4泊5日四国に行き、Niyodo Lover に出会って、自然のまま残されている沢山のボルダーに出会うことができました。ボルダーが自然なら・・その周りもきれいな川、山、歩きにくい道があります。もちろん虫や動物も。10キロほどの荷物を前後にしょって遠くから岩を眺めては川へ降り歩き探し、ラインを見つけて登る。最終日、私の足はふらふらでした。けど幸いにも登る体力は別腹でした笑

見渡す限り岩だらけ・・自然を見つめて探し、歩き、選んだラインを好きなように登る というプロセスは、まさに自由を感じました。岩と川、山と空に囲まれて岩を登るという感じです。ここにyou tubeを取り入れなかったことも自然のままを登るという自由さ、解放感がありました。

道具や環境は人を締め付けるものでもあるなと思いました。

日々の強くなる努力は、このためなんだと。自由を手に入れるため。

岩が人に元気を与える といったのは平山ユージ氏ですが、まさにこのことでしょう。

 

 

何回も何日もトライし、完登者の動画を確認し、コンディションの良い日を選んで岩を登る。それも限界を押し上げたり結果をだしたりするのには必要なことですが、私にとって四国ではそれは違いました。

私たちが行った日はとても暑く、雨待ちの湿度が高い状態でした。岩に着くころにはTシャツはびしょびしょ。岩は照りだされていました。河原のホールドは粒が荒くつるつるで、そんなに難しくないような一手も・・取った後にずり落ちる。 そんな中かっこいいと思える岩を登り切ったのは大きな成果でした。

あえて課題名は言いませんが、とにかくスケールがでかくてロケーションが最高。谷にめちゃ大きな岩があって、その上に乗っかっている大きな岩を登りました。つまり下地は岩です。マットからはみ出ることは絶対ありませんが、すぐそこは谷底です。午後の遅い時間から登り始めて・・登り切ったころには薄暗くヘッドランプをつけていました。上部はもちろんバラせないので、いくつか用意したイメージを頭に叩き込んでつなげのトライ。やっぱり焦りましたがイメージを形にしてリップをつかむことができました。情報はなんとなくついたチョーク跡のみ。動画も何も見ていないので「わからない」という気持ちを持ちながら手を出していくのはやっぱり確信と気合しかないですね。「岩の上に立った時・・その時の気持ちで見える景色が違ってくる」と何かで読みました。 正直、振り返るのが怖いくらい谷が暗くなっていて、余計深く見えました・・。昼間はあんなにきれいだったのに。うれしいというより、頑張りすぎて気持ち悪いというのが本音でした。でもよかった。登れて。降りるときも、岩しかないので滑らないかドキドキ。自然の驚異に畏怖しながらのトライでした。

 

今日というこの日しかない、この場所しかない。暑かろうが湿っていようが、疲れていようがお腹が空いていようが・・ この時登るしかない。コンディションのいい日に行けばそりゃ簡単に感じるかもしれない。けどそうではない・・そこに大きな意味や強さ、面白さがあるということに改めて気づきました。これが岩を登るってことなんですね。

近隣に手軽に行ける恵那やフクベというボルダーがあるので、忘れがちなことだなと思いました。

四国に行くと、目が覚めたような新鮮な気持ちになれます。また岩登りに向き合っていきたいです。

 

 

本、読みませんか★お勧め3冊

2017年9月9日 by 宮嶋悠

こんにちは~スタッフの宮嶋です。なんて涼しいんだ急に!秋ではないですか。秋は岩本番ともいえる季節ですが、夏どれだけ頑張ってきたかが試される時期でもありますね。岩は人を成長させてくれるわけです。
けれども毎日毎回全力出して登れるわけではありません。怪我をしたり仕事や家庭が忙しかったりすることもあります。そんなとき、ほんの少しでも時間があるときクライミングのために何をするかということです。趣味でやってるだけなんだからそこまでしないよ!って方!全然けっこうです。趣味にとどめてください。けどもう少し奥のほうまでクライミングを覗いてみたい って方!気持ちを強くしたい!って方!何よりクライミングが好きだという方!ぜひ 本を読みましょう!

 

トレーニングなどのHow to 本や、コンペティターたちの戦歴が載った雑誌、動画などを見ている方はかなり多いのではないでしょうか。けれども活字の本というのは全くの別物です。書く側の、強い思いが反映されています。それを読んでも強くなれない、自分のクライミングとは関係ないといわずに、奥行きを深めるために本を読みませんか?人の思いや歴史は、普段の自分のスタイルや姿勢を変えてくれるでしょう。そしてきっと、強さになって自分に返ってきます。
ここでは3冊の本を紹介します。

まず1冊目。これは私が初めて読んだクライミングの本です。始めて半年くらいする前でしょうか。ほんとに始めたばっかりの時に読みました。なので、クライミング初心者さんはまずこれをお勧めします。もちろん誰でもお勧めです。読んだのが7年以上前・・ なので不明瞭な点があります。

『ユージ★ザ・クライマー』羽根田治 2004 山と渓谷社

一世を風靡して今なお頂点に立つフリークライマー 平山ユージの生い立ちから現在(当時)にいたるまでのお話。クライミングに対してどのような努力をし、どのような思いでやってきたか。その情熱が本から伝わってきて、初心者の私は「ここまでやれるからすごいんだ」すごいのは才能だけじゃない お金でも環境でもない と思わせてくれました。そしてざっくりと、クライミングのスタイルについて触れ、平山ユージがどのようにそれらと向き合い順応してきたかが書いてあります。

なぜ初心者さんにお勧めかというと、ほぼスポートクライミングが樹立した中でクラシックなクライミングについて触れているので、広がりが分かりやすいのです。例えば、5,10 の5 って何なのか とか。今皆がやってるスポートクライミングが、クライミングの中でどのような位置づけなのかってこともざっくり書かれています。今の自分の環境から本の内容を想像しやすいってことですね★

 

2冊目…

『我々はいかに「石」にかじりついてきたか 日本フリークライミング小史』菊地敏之 2004 東京新聞出版局

ずっと読もうと思って読めておらず、やっと最近読みました。今まで読まなかった自分が恥ずかしい!そんな当たり前のようで知る人ぞ知る、日本のフリークライミングの歴史。図書館で借りて、面白かったのでamazonで買おうとしたら廃版なのか中古でも倍以上の値段に・・。昔の本って貴重ですね。といっても2000年台を昔には思えない。10年以上前なのに。ぜひ図書館へ!

アマゾンのレビューの一部には・・歴史書っぽくて面白くない なんて声が。いえ、これは歴史書とタイトルにあるのに、ハウツー本を期待したような浅はかな人の感想でしょう。その歴史は驚くほど短く、あっという間に語られています。その凝縮ぶり・激動ぶりがまた面白いです。しかも浅田次郎っぽいライトな語り口調で読みやすいのでおすすめ。

ただし、この本は初心者さんが読んでも・・上のような感想になってしまうかもしれません。せめて一度はロープを付けたことのある方、岩のラインを自分なりに考えたことのある方、フリーという意味・意義について知っている方、これからも長くクライミングを続けたい方 が読むとより良いと思います★

最後は・・変化し続けたクライミングへの眼差しが、自分の人生を振り返っているようで感動してしまいます。歴史というと勉強や知識として覚えるようなイメージがありますが、そんな肩肘張らずに、感情として入っていけば 十分過去へのリスペクトになるでしょう。

 

最後3冊目。

『クライミング フリー 伝説を創る驚異の女性アスリート』リン・ヒル 小西敦子訳 2006 光文社

こちらは文庫版をアマゾンで買えました。原書も買おうかと思いましたが高いのでやめました汗 これはですね、ぜひ!女性陣に読んでいただきたいです。もちろん男性にも。まっすぐにクライミングに向き合っている女性ならではの気持ちと気合が、きっとわかるでしょう。なぜクライミングに惹かれるのか。よくあるような虚栄心、競争心とは違った、女性ならではの優しく強い考え方が魅力的です。本当の強さとは何かを語りかけてくるような美しいお話です。

リン・ヒルの自伝的なものでもあるのですが、当時のヨセミテの様子やクライマーにまつわる面白い話も載っています。詳しくは言いませんが、クライマーが謎の組織に次々と消される話はドラマさながらです・・怖い。

様々なギアや技術の話も出てくるので、調べながらゆっくり読めば・・本来の冒険的なクライミングの世界を想像できます。

 

 

長くなってしまいましたが、いかがでしたか?たまにや雑誌やハウツー本、動画やネットではなく、本をじっくり読むのもいいですよ★自分の好きなクライミングの世界が、より豊かになるといいですね♬

 

 

 

強さって

2017年8月8日 by 宮嶋悠

こんにちは スタッフの宮嶋です。台風で雨続きでしたが、月曜は初心者さんとGC挑戦者で早い時間からお客さんが来てくださいました^^

 

さて、船橋ロッキーからリリースされている岩を登る人による岩を登る人のためのクライミングジャーナル『ROCK CLIMBING』3号が出ましたね。私はボルダラーですが、いろんなクライマーのお話は面白くそれぞれの哲学や思想に触れる機会があってとても貴重です。分野の違うレジェンドたちの語りは、自分のような端くれにも大きなものを与えてくれます。

3号終盤の竹内氏の文面に胸を撃たれ深い共感をおぼえました。

 

何千年もかけて自然が作り上げた岩とそれを登る人をアートとして捉える。ボルダリング=芸術。(中略)かっこよさを追求するアート。僕は今でもボルダリングはスポーツではないと思っている。そしてそう感じられる人とだけ一緒に登っていたいと思っている。ただ、思ってただけだったので、気づいたらクライミング界は真逆の方向に進んでしまっていた。

 

なので、思うことがあるのなら、やっぱり発信することも大事なのだと、このブログも拙くはありますが書く価値があるんだと思って書きます。ちなみに上の文章は、抜粋だけでは伝わりきらないし、ご本人も文章だけで伝わらないと思っているはずなので、とりあえず『ROCK CLIMBING』を読むことをお勧めします。あとDVD観るとか。あといろんな岩登りの人のブログを読むとか。

 

 

テレビCMで 塾や家庭教師 この夏はYDK(やればできる子) を見ていてふと思いまして👓

勉強が嫌いな子は、勉強が出来ないから嫌い。面白くない。それをできるように指導して、勉強を楽しくする・・ というのが多くの塾や家庭教師たちの使命。

なんかクライミングでもこんなこと言う人がいるような。出来れば楽しい、出来なければつまんない💣

けれども学者さんとなると、どうでしょうか? 彼らがやってるのは、わからないこと・未知の世界への探求であって、正解が見えていることではありません。謎だから面白そう、すごそう と思ってやっているはずです。そしてその人たちが先端を走っている。

クライミングも、つまりクライマーも 出来るかどうか分からないけれど、面白そう、カッコいい、わくわくする・・ 出来ないことや未知のことだからこそキラキラしてきます。そしてその問いを自然が与えてくれるのです。

なんか似てませんか。笑 出来ないからつまらない と思ったとき、そこにクライミングの神様はいません。同時にクライマーでなくなってしまうかもしれません。クライミングの神様はその先で待ってます。

 

強いクライマーって何なんでしょうか。強さってなんだと思いますか。というか、正解は一つだと思いますか❓

( コンペで優勝できる人ですか?ワールドカップに出てる人ですか? 単純にグレードが高いものを登れる人でしょうか。それともマルチにどんなジャンルでもこなせる人でしょうか。

( 他人を顧みず自分と向き合える人でしょうか。安易にムーブを聞いたりしないで自分で解決しようとする人でしょうか。とにかく粘って完登するまで諦めない人でしょうか。辞めずに登り続けているひとでしょうか。

( スタイルにこだわってノーマット、フリーソロ、グラウンドアップ、ナチュラルプロテクションで登る人でしょうか。知識のある人でしょうか・・。

こんなにたくさんのキーワードがありますが、だいじなのは自分が思う強さが何かを考えているか ってことだと思います。だから正解はひとつじゃないです。クライミングのムーブだってそうでしょ。

 

私は、自然の岩とか環境を美しいと感じて謙虚な気持ちで 渾身のトライで岩に恥ずかしくないような登りをしたいなと 思います。気持ちをぶつけるっていうか。ぶつけるんだけど、攻撃するんじゃなくて岩や自分と向き合うって意味で。一点に向かって気持ちがクリアになる感じ。それができれば登れなくても、それが楽しい。また次の強さを見つけた喜びもあるし。このライン(岩)にふさわしい強さになりたいな みたいな。だからこそなるべく綺麗な岩登りたいし。あんまりひと気のない場所のほうがワクワクするし。人がいると邪念が出て集中力欠けるし。

・・まあ登れないで終わることのほうが多いんですが・・その岩のことはすごく細かく覚えてます。登れてないけどね。それでも楽しい。

私のような小物がこんなことを言ったところで恥さらしに近いんですが、思ってるだけってのはよくない という話の延長です。。

 

本当に強い人はうらやましいですね。気持ちで最後のピースが埋められるようなクライミング。瞬間を逃さないクライミング。私は最後かもしれないその一手をいつも放してしまうばかりです。ぎりぎりまで頑張ってるのに。そしてどこかで、 危ないから余裕をもって登りたい というつまりさらに強くならないと無理なような・・かえって高いハードルを持ってしまうのです。でも余裕があるとまた達成感がちょっと違いますよね。ぎりぎりでも登れる気迫が欲しいんです。逃げない気持ちが。あと、ギリギリでも危険をコントロールできる能力。

やることがいっぱい、、ありすぎます。

 

 

 

 

クライミングの幅と自由

2017年6月12日 by 宮嶋悠

こんにちは~ スタッフの宮嶋です。6月になってしばらくしましたが、山の空気が意外と乾燥していて岩にいっても登れる日がけっこうありますね。

 

今日はクライミングの幅についてお話ししたいと思います。伸び悩んでいるという人にぜひ聞いてほしいお話です。以前の記事の「リピートの楽しみ方」「モチベーションについて」のまとめになるかもしれません。

ジムでスタッフをしていると伸び悩んでいるとおっしゃる方に出会います。その方々の特徴をまとめてみるとこんな感じなのではないかと思いました。◆やりたい課題をグレードで選ぶ方 ◆その結果、できずにどんどん課題を変えていく方 ◆俗にお買い損といわれる課題をやらない方 ◆自分にできると思った課題しかトライしない方。

壁にぶち当たるのは誰しもそうなので仕方のないことなのですが、これではいつかクライミングがつまらなくなってしまうと思うのです。ジムでスタッフをしている身としてはそれは防ぎたいと思っています。

 

簡単にまとめると

・低いグレードで自分の苦手な課題にこそ上達のカギがあります。しつこくやりましょー!

・課題が好きかどうか、その課題の魅力を自分なりにみつけてください。グレードは関係ないです。そうしてセンスを磨きましょー

・10回という数字は筋トレ理論に当てはまるらしいです。ロクスノのクライミング道場で読んで私は意識し始めましたが、10回やることで体も覚えるし必要な筋肉もついてきます。そして意外と10回は長いです。普段のトライ回数を数えてみてください。

・言い訳は・・OKですが、何が足りないかを言い訳にしてみてください。有力な言い訳をみつけましょー 弱点をつぶせば強くなれます

・限界を自分で設定するのはつまらないのでやめましょう。いつかはできるかもしれません。クライミングに大事なのは気持ちです 何より、ネガティブな言葉はがんばってる人を傷つけます

 

そして。。「伸び悩む」というとタテのベクトルばかり意識してませんか?

グレードがタテだとすると、ムーブや体の使い方、ホールディング、メンタル、危機管理、変化に対応する力・・これらがヨコ、クライミングの幅だと考えます。

 

私はクライミングは幅だと思います。

強いとは 自由になることだと 思ってます。自由はタテの方向だけではありません。

他のスポーツもそうだとは思いますが、クライミングは単純にスポーツではなくて、自然が教えてくれることが多いです。自然が、岩が自由になることを教えてくれます。ジムでもそれを疑似体験できます。そのために課題は沢山あり、クライマーは課題や岩を見つけていくんだと思います。

 

自分たちの体はなんのためにあるんでしょう。社会で働いて家族を養ったり税金納めるためにあるんでしょうか。親孝行するために生まれてきたんでしょうか。それも大事なことですが、自分が自分のためにいると思えるのが 私にとってはクライミングです。自由になりたいから強くなりたいです。

誰もが強いと思っている人は、幅があるものです。強さは幅を持った結果として、タテにも伸びるのだと思います。

 

伸び悩んでる方、眠っている体の部分は沢山あるのではないでしょうか。せっかくクライミングという自由に出会ったのに、タテのベクトルしか気づけないのは勿体ないです。背伸びして辛いなら、易しくて素晴らしい課題にも目を向けてください。ジムだけではなくて自然を大事にしてみてください。岩が何か教えてくれるかもしれません。謙虚さと向上心が、今までとは違って見えるかもしれません。

 

なかなか自由の利かない世の中だからこそ、クライミングしている間はのびのびとしていたいですね(^^)

ジムにゴミ箱がない理由

2017年5月1日 by 宮嶋悠

GW突入しましたね!今日はまだ仕事の人が多いような気もしますが・・R&Fは10時よりオープンしてます!今もちらほらお客さんが登ってます^^

さて、行楽シーズンのお出かけでマナーが問題になることもありますよね。とくにゴミ処理の問題です。クライミングジムで、ごみ箱がないジムがあるのをご存知でしょうか。R&Fもそうですし、昔のジムでゴミ箱や絆創膏など備品がないところがけっこうあります。

 

このブログは、お客さんからの疑問や他ジムスタッフとの会話、自分の考えのもとに成り立っています。

 

なぜジムにゴミ箱がないのでしょうか。お金を払って辛い思いをして、達成感を味わえたり味わえなかったりして、なぜゴミまで持って帰らなければならないのでしょうか。指をケガするようなこともあるだろうに、なぜ絆創膏も置いてないのでしょうか。

結論から言うと 「自分で出したゴミを持ち帰れない、必要なもの(自分で用意できるもの)を他者に用意してもらって当たり前」 という考え方が、クライミングにはそぐわないからです。クライミングは、自分のことは自分で、というのが、根本的な考え方です。

 

登ることに関して、ムーブを教えてもらうことがあっても、それを体感してやるのは自分自身です。怖いと思っても自分で危険を管理し克服しなければ前に進めません。

だからこそクライミングって楽しいし、教育にも役立つといわれているんですよね?家や学校では教師や親が見守って、正解が明文化されてる教科書があって、みんなと同じようにやっていればうまくいく。集団生活や親の庇護のもと、誰かがやってくれれば何とかなる。けれどクライミングでは最後は自力で、独力でなんとかするしかない。だからこそ達成感があって楽しいし成長できるんですよね。そこに大人も子供もありません。

 

非日常 の遊びがクライミングだからこそ、ジム側にはそれを伝えていく義務があり、お金を払っているからこそ理解してもらわないと勿体ないと思います

だいじなのは、ゴミ箱のあるなしや、備品のあるなしではなくて、クライミングについてより深い理解をしてもらえるかどうかです。

 

GWで初めてクライミングに触れる人が多くなるとは思いますが、ぜひクライミングの良さとしてご理解いただきたいと思いました。もちろん、ケチなことは言いません。備品を忘れてしまった場合はスタッフに相談してくださいね。

岩はだれのもの②ラインについて

2017年4月17日 by 宮嶋悠

雨でめちゃくちゃ湿度が高いですね。いつもの安定の月曜日でまったりです。さて前回に引き続いて記事を書こうと思います。あんまりキャッチ―なネタではないようですが(^^;)

 

何年か前に、こんなことがありました。私がグレードだったり変な見栄に苦しめられていた時期だったと思います。そんな中とても好きになれる岩がありました。そこへ行ったときのお話です。

 

その時は無知で存じ上げませんでしたが、プロクライマーの方が2名とそのご家族が1名先に見えていました。それも確か上裸だったと思います。岩でプロの方の本気の登りが見れるなんて今後あるかしれません。1月の寒い時期でした。

当然私はすごい人だなんて知らないので、きちんとした挨拶もしなければ、好きな岩できちんとムーブを考えようと相手の登りは見もしませんでした。ただ一瞬、自分もやっていた課題の一端を家族に教えるために登っているのが見えました。すごい人だと知っていなくても、ほんのワンムーブでもとても美しい流れるような動きでした。忘れません。

ちなみにその当時そのムーブを私はできませんでした。どんなに力を入れても。

 

あとから知りましたが、その方はトップクライマーでその岩の開拓者でもありました。

 

そして私の同行者がラインを見定めてトライし、リップ付近まで到達したとき、マットを手にスポットを手伝ってくれました。ガンバ!と応援までしてくれました。残念ながら登れませんでしたが、リップまで渾身のトライでした。

その後プロの人たちは場所を移動しいなくなりました。岩をよく見ると、さっき登ろうとした直上のラインはかなり難しく、右に迂回してのトップアウトが妥当でした。そこで彼は「さっきの人、右だって教えてくれりゃよかったのに!」と一度あるかどうかの機会を逃して悔しそうにしていました。

 

帰り道、プロだということを知ってブログや略歴を読みました。そして思いました。あの時あえてラインを教えなかったのは、直上を岩のラインと見立てて必死に登ろうとしているクライマーの気持ち・考えを尊重してくれたのではないかと。。岩のどこを登るか、ラインというのはとても大事です。直上する という気合を、ガンバとマットをもって応援してくれていたんだと思います。それは、開拓者だからこそわかる気持ちだったのかもしれません。

何が正解かというのは、岩や自然を前にして答えはないと思います。熟知している人の考えがこのような結果になったと思います。自分が登りたいと思ったところを登る、それに尽きるということなんだと思います。それから、自分で見つけ出すからこそ結論に重みがあること。

同行した人が少しうらやましいです。ラインに挑戦できること、気合を感じさせて周囲に背中を押されたこと。その一件から、私はすごく大事なことを学んだと思います。その人の流れるようなワンムーブと一緒に思い出します。

課題ではなくラインを登るという考え方。ラインへの挑戦と決心。気持ち。

プロのクライマーは、これだけ人に与えられるものがあるからすごいんだなとも思いました。

 

岩はだれのもの というタイトルですが、ラインはだれのもの というタイトルにもなります。初登者・開拓者という先駆者が努力の末に作ったものでもありますし、トポという公認の共有できる情報もあります。トポ通りに登りたいなら、既存の課題を登りたいならそれに従うのがよいと思いますが、書いていないものは分かりませんし、トポ通りに登ったはずなのに批判をされてしまうという話もよく耳にします。けれど、上の私の体験を思い出すと、とても小さなルールの話に思えてなりません。小さなルール、小さな世界の中で何かをすることも楽しいと思います。けれどそれと岩とは実際関係ないように思います。岩は自然のものであり、一人のクライマーは岩の課題と向き合う独立した存在でありたいと思うからです。

 

岩を登るというのは、どういうことなのでしょう。ジムとはどう違うのでしょう。課題とはなんなんでしょう。ラインというシンプルな考え方が岩には合っていると思いました。

岩は誰のもの①ティックについて

2017年4月10日 by 宮嶋悠

こんにちは!スタッフの宮嶋です。4月で桜がきれいですがあっという間に雨に降られてしまいましたね。場所によっては、岩を見ながら・・ じゃない 花を見ながら登れるんじゃないかなあと思ってたのに残念。

豊田のシーズンも終わりいよいよフクベや恵那の山エリアが入れるようになりましたね!木漏れ日の差す岩々を見ていると、岩や自然がとても優しく見えてきます。登れるという喜びは、競争や征服の気持ちとはやっぱり違うのではないかなと思います。

保持力がホールドと仲良くなってついてくるものならば、登れるというのは岩と仲良くなるということでしょうか。強いというのは、岩の前で自由になれるということなのかもしれません。

 

 

さて、先日豊田などで落書きに近いティックマークが問題となりました。私も目の当たりにしましたがそれは酷いものでした。かぶりの内面なので雨も当たらず、水を含んだブラシでこすっても取れませんでした。

ティックマークとは、クライマーが岩を登る際みえにくいホールドの位置を示すためにチョークでマークを付けることです。本来これらは岩を去る際きれいに消していくのがマナーです。

これも大げさに大きくつけていくのと、小さく点でつけていくのとありますが、これについてどう思われるでしょうか?

私はもともと絵を描く人間だったので、ティックマークをつけないと位置が分からない=岩の形を覚えられない から何となくカッコ悪いのでは・・と勝手に思っていました。必死に登っていれば見失うこともあるし、そのおかげで完登できればもちろん付けたほうが賢いに決まっています。

けれど極端に大きく書いてしまうことについては岩も汚れるし、単純に絵的に見栄えは悪いような気がします。人の手が加われば加わるほど、それは自然ではなく人工に近いものになっていきます。岩を登るというのは、小さいボルダーであっても自然に挑む・遊ぶことではないのでしょうか

 

豊田の大給に行ったとき、小さなティックマークが残っていることがありました。花崗岩特有の小さなホールドばかりの場所なのでティックマークが重要になります。本当にわずかについていただけなのですが、私もそれを目印に登りました。あまり時間をかけたくなかったのでありがたかったです。

もともとついていたので、帰るときに消そうか迷いました。というのは、そこはジムの代わりになるような気軽さで来れる高さ・場所だからです。そのときは敢えて消さずに帰りました。もはや公園として、みんなが登る場所として開かれた場所であるために、わざわざ前の人がつけたのを消さないのもアリなのかなと思いました。 もちろん基本は残さない、です。ムーブをイチから考えたい人もいるでしょうから。やっぱり消しとけばよかったなあ笑

 

最近気づいたことです。

自分の中で挑戦的なグレードをやる場合、ティックマークで見えにくい箇所を書きます。もちろん点で。で、ムーブを組み立てていく際、少しずつ変わったりしていらないものがでてきます。3つ候補で書いたのを、トライの中で不要なものを一つずつ消していく。 自分のムーブがクリアになっていく過程がとてもさわやかで気持ちよかったです。これこそ、岩と仲良くなっていく感じ笑

心が決まってくると動きもスムーズになっていきます。だんだん岩との距離が縮まってきますね

そして、向き合って得た情報は自分で消していく。かっこいいではないですか。

 

自然と遊ぶというのは面白い行為です。

 

ティックマークについて書きましたが、岩は人間のものではないですよね。土地所有者のものだというカタい話でもありません。岩は自然のものです。これに尽きますし、岩が自然だからクライミングは面白いんではないですか。極端にチョークだらけになった岩を見て残念な気持ちになるのは、それが人の手にまみれたように見えるからです。落書きやチッピングなんて論外です。

逆に、奥地で易しい課題のホールドがチョークまみれになっているのを見て、「この岩はたくさんのクライマーを育てたんだな」と思えることもあります。チョークのつき方の違いですけど。

 

いずれにせよ、岩は自然のものであって、人間のものではありません。クライマーは人間ですが、自然と遊んで岩に向き合っている限り岩を自分のモノのように扱っては本末転倒だと思うのです。

 

 

初登者がムーブを限定してしまうのも、私は岩を人間のモノにしてしまう行為なのではと思っています。これについては次の回で書きたいと思います。

「できない」という遊び

2017年3月20日 by 宮嶋悠

 

クライミングは「できない」を楽しむ大人の遊び と聞いたことがあります。

 

キッズの多いジムで働いていたころ、ほかのスタッフさんからよくこんな相談を受けました。

◇ 頑張って登っているキッズが、身長がどうしても足りなくて登れない。ホールドを変えてもいいですか?

大人でも身長(手足の長さ)がないからできない・・よくあるようなお話です。あなたはどう思うでしょうか?ジム側の人間でなくても、クライミングをしている人は考えてみてください。

 

クライミングの楽しみ・醍醐味って何ですか? できること・できて当たり前のことだけをするのがクライミングでしょうか?

また、できないことは悪いことなのでしょうか?

 

出来ないことに対する努力や工夫、それを通して初めて味わえる達成感。出来ないことがあるからこそ、成長があると言えます。出来ないことが解るからこそ、自分の伸びしろがわかります。出来ないことに対する忍耐力、想像力、解決力。出来なかったとしても自分と向き合える人間性。

出来るように課題を作り変えてしまうというのは、このクライミングの醍醐味をすべて奪ってしまうことに他なりませんか。

それは その人に優しいことではなく、可哀そうなことをしていると思います。とくに強くなりたいと思っている人にとっては大きなお世話です。

 

確かに、課題には良し悪しがあります。それも完全な結論はありません。必ずしも登る側の技量が足りないとは限らないので、常駐しているスタッフがお客さんの登りを見て修正していくのは大切なことだと思います。でも、そこで ただゴールを掴みたいためだけに修正することはできません。それもグレードや課題のコンセプトによりけりです。ジムのスタッフさんたちは色んなことを考えた上でやってると思います。

 

また初心者さんからよく聞くのは

◇ クライミング(ボルダリング)って 意外とたいへん。しんどい。ボーリングの方がラクで楽しい。

申し訳ありませんがその通りです。なので私が伝えたいのは、その先にかけがいのないものがあること、そしてできないということは決して悪くないということです。恥ずかしいことでもありません。チームじゃないので他人に迷惑をかけることもありません。

どことなく世間の風潮もあるでしょうが、出来ないことがダメなことで悪いこと、恥ずかしいことだと色濃く感じているようです。

そうではないよ、時間をかけて努力のすべてが自分に帰ってくるよと はじめはできなくていいと 教えてくれるのがクライミングです。

特にR&Fでは、初心者さんがスタートするような課題も、一発で出来る・力任せで出来る課題はかなり少ないです。早速つまらないと思う人もいるでしょう。ほかのジムより辛くてつまらないと思う人もいるでしょう。でもそれは出来て当たり前とどこか思っているからです。

そこで、「できない」を工夫して楽しむのがクライミングの良さなんですよ と伝えられるジムスタッフでありたいと 私は思ってます。

はじめは出来ないとつまらなそうにしていた人が努力しているところを見ると感動します。もちろんクライミング中心の生活でない人がほとんどなので、自分の生活ペースに合わせてやってください。そこも良さです。

クライミングの懐は深いです。努力できるすべての人に心身ともに成長の道が開かれています。

保持力強い人の解説書

2017年2月27日 by 宮嶋悠

こんにちは スタッフの宮嶋です

今日は保持力について私が純粋に思ったことを書こうと思います。なんの根拠もありませんが、クライミングにおいて保持力って何なのか独特に掘り下げたいと思います。※キャッチ―なタイトルにしてごめんなさい。読んでほしいのは赤字と最後の章だけです。

 

指の構造ダイジェスト

クライミングを続けてきて保持力という言葉を耳にするものの、それがはっきり何なのか分かりません。そもそも保持力ってきちんとした定義ってないような気がします。単なる指の強さを保持力と言っているのでしょうか? でも指っていろんな持ち方があるし、持ち方によって使う腱や筋肉が違うし、肩や背中、体幹と連動するからこそ相乗効果が得られるのです

クライミングは保持力だ (手さえ離さなければ落ちない) というのはつまらない答えですが、実際壁からは指を最初に伝って体に力が入るので、指の力がだいじなのは納得です。そして他の体の部分に比べてか細い指力を鍛えまくって切り開いていくのがクライミングのかっこいいところでもあります。

指は本来曲げる方向にしか曲がらないようになっています。指の腱は手のひら側についていて、指を閉じるときにしか働かないそうです。つまり極端なカチ持ちなどで指が反対方向に反り返ったまま力を加えるときは腱はひっぱられるだけで負担が大きくかかります。あまりにひっぱる力が大きければ切れたり伸びたりします。腱が強ければ引っ張られても力を入れ続けることができるのでしょう。

第二関節を大きく立てているのなら、第二関節より腕側の腱と、手のひらと指の接続部分を使います。また第二関節を曲げる動きは深指屈筋・・腕の真ん中内側くらいまでついている筋肉を使います。パーミングやスローパーなどを持つときも、肩や胸筋と連動してこの部分を使っているように思います。

逆に、第二関節を使わず第一関節のみで つまりオープンハンドでぶら下がるのは、浅指屈筋・・肘まで伸びている腕の内側の筋肉の強さになります。

反対に、腕の外側についている(指を開く)筋肉も、内側を使うと同時にバランスをとったり手首を安定させて体のバランスをとるのに使っていると思います。

あとは、指の水かきの部分(手のひらにある指の付け根の間)にも、それぞれの隣同士の指の根元を結節する筋肉があり、これを故障すると安定して指が使えなくなります。

とにかく指の構造って複雑すぎて、最近高度な顕微鏡が発明されてやっとわかることも出てきたんだとか・・。クライミングで指をケガしてはじめて、こんなところにも組織があるんだ・・と驚かされます。

ただ、保持力さえ強くなればなんでも登れるというのはやはり誤解です。体全体を使うから登れるので、指以外に文句なければ、あとは保持力ということになると思います。

 

ホールドと仲良くなる

保持力ってこの総合的な部分だと思います。それと同時に最も負荷が少なくなるように体のバランスを取るために、体幹や肩、肩甲骨、背中、などなど諸々の大きな筋肉を使うのは不可欠です。

順番的には いい体勢を作ったうえで一つのホールドを取りに行き、そこでホールドを保持しまたいい体勢を作って次の動きを起こします。いい体勢を作るのは、指というよりも体全体だとします。次の動きを起こすのは、指のさらなる保持と体の力、バランス感覚が必要です。分かりやすく区切るとこうなります。

ではどうしたら保持力は強くなるのでしょうか?

持てないからできないというのは全くその通りなのですが、先ほどの順番で、ホールドを取れる段階まで行ければ、そこから動けなくても 保持はできている と言っていいと思うんです。

なのでそこで 持てない・保持力がないから出来ない って諦めなくてもいいと思うのです。

本当に保持力がなければそのホールドを持つことすらできません。そして最近はあまり耳にしませんが、ホールドは触り続けていると仲良くなることができます。だんだん持てるようになります。これは本当だと思います。持つのではなく最初は慣れるのが大事です。指に違和感があるまで握ったら休めばいいと思います。逆に指にくるまでやらないのは、もともと持ってる力だけしか出ていないので強くなるわけはないと思います。続けることが大事だと思います。ケガをしない程度に・・

 

保持力モンスターの気迫(読んでほしいのはここだけ)

最後に、保持力が本当にモンスターみたく強い人たちを見ていての感想です。

ちょっと胡散臭いかもしれませんが、正直に思ったことを書きます。

保持力って、持てる力ではなく、持ちたいと強く思う気持ちなんだと思います。

プロでもなければ幼少からやっているわけでもない、めちゃ強の大人の登りを見ていると気迫を感じます。彼らに指が痛いとか持てないとか そういう気持ちはないのです。あるのは岩の向こう側の世界だけなんだろうな・・ 正直頭がやばい人たちだとは思います。

仮に悪い課題で 持てないホールドが出てきたとします。でも彼らにとってそれは「持てない」ではなくて「持ってみたけどその時は持てなかった」というだけなんです。持てないと思って取にいったり、保持しようとはしてません。もしどうしても持てなかったとしても、これを登れるすげえやつがいる。いつか持てる。って思っています。

そんな根拠のない・・ と思われても仕方がないですが、できると思ってやる人と、出来ないと思ってやる人とでは 絶対に差が出るとは思いませんか。 保持力なんて頭は使いません。シンプルです。だから折れない心と気合と忍耐が一番大事なところだと思うのです。

だから、保持力がないからできない なんて言わないでほしいです。今の力で出来る課題だけで楽しければそれでいいです。でも少しでも強くなりたいと思うなら、その気持ちに忠実に ホールドと仲良くなってください。

Grow Cup始まりました。

2017年2月14日 by 久保

オルコ・岩んちゅ・R&F、3店舗共同イベント、Grow Cup始まりました。

各店舗のマンスリー課題を登って、ポイントを稼ぐと言うシンプルなイベントです。

今月はR&Fの担当月です。

https://www.facebook.com/growcup/

 

番号順に難易度を上げているので、何番までOSできるか腕試しをしても楽しそう。

受付前の出窓には、月曜日のスタッフのハルカちゃんの手作りグッズを販売しているので、興味のある方は是非覗いてみてください。